阿久根と鎌倉
街で唯一の魚屋さんに後継者がいないという課題を起点に、全国的な問題となっている漁業人材の育成、魚食の普及をテーマにしたプロジェクトです。
「阿久根と鎌倉 移動式鮮魚店」を鎌倉にオープンし、地域おこし協力隊を2地域で育てていくことを目指しています。それを見据え、2017年より毎年鎌倉市内で様々なイベントを開催しています。
イベント時は、阿久根の行政職員だけでなく魚の仲買人や水産加工会社の若手社員、食品加工科の高校生・卒業生などが鎌倉に短期滞在し、研修もかねて鮮魚販売や食堂の運営を行っています。2018年11月にタブロイド版フリーペーパー『阿久根と鎌倉』を発行。
Partner Area: 鹿児島県阿久根市
Client: 鹿児島県阿久根市、株式会社まちの灯台あくね(旧阿久根市観光連盟)
Year: 2017年-
Outline
「五島と鎌倉」を見て鎌倉視察に訪れた阿久根市役所の方々が、東京ではなく鎌倉で鮮魚店をオープンするアイデアを思い付いたのがきっかけ。阿久根市には、日本で獲れる魚種の半数を水揚げする港があるにも関わらず、唯一の鮮魚店も後継者がいない現状があります。鮮魚の流通拡大の前に、まずは漁業や鮮魚に携わる人材の育成・魚食の普及を目的としたプロジェクトのアイデアと、豊かな食や暮らしへの意識が高い鎌倉という地域が掛け合わさったことでプロジェクトがスタートしました。
1.「阿久根と鎌倉」タブロイド発行
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2018年11月発行
2.鎌倉でのイベント開催
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2017年10月、「鮮魚店」のプレマーケティングとして鮮魚販売・刺身や総菜などの販売イベントを実施
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2018年11月、移動式鮮魚店の試験展開、鮮魚を使った定食の提供などのイベントを実施
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2020年3月、移動式鮮魚店の期間限定オープンを予定
鎌倉視察
阿久根市役所商工観光課の方々、鹿児島県立鶴翔高校食品技術科の先生と生徒のみなさんの鎌倉視察をアテンドしました。食品加工や農業の参考になるような事例の紹介、将来地元で飲食店の開業を目指す高校生たちにインスピレーションを与えられるような場所の案内、人のコーディネートなどを行いました。
観光地としてのイメージが強い鎌倉ですが、豊かな暮らしを求めて東京から移住する人も多く、住民の食や暮らしへの意識の高さ、一次産業と住民との距離感に驚かれていたようです。「鎌倉で阿久根の鮮魚店をやったらどうか」というアイデアは、実際に鎌倉を歩き、人に触れ、商圏としての可能性を感じられた阿久根市の方々によって生まれたものです。
テストマーケティングのイベント開催
鎌倉で阿久根市の鮮魚は売れるのか? テストマーケティングを兼ねたプレイベント「鎌倉で鹿児島のうまい魚を楽しむ3日間」を、10月13日から15日にかけて、鎌倉の食堂「コバカバ」にて開催しました。
イベントでは、阿久根市から毎日鮮魚を空輸し、30種程の魚種を展開。また、元水産庁で現在は魚食普及の活動を行っている上田勝彦さんもこの取り組みに賛同いただき、急遽スタッフとして参加いただきました。
小さな子ども連れの若いお母さんから、釣り好きの男性、飲食店の方まで多くの方に来店いただき鮮魚店・居酒屋イベントともに大盛況に終わりました。
【開催スケジュール】
7時~14時 COBAKABA通常営業(鹿児島の魚を使った定食の提供)
15時~18時 その場でさばく「北薩摩鮮魚店」
18時~21時 旨い焼酎と旨い魚「居酒屋北薩摩」
【会場】
鎌倉の食堂「COBAKABA」
神奈川県鎌倉市小町1-13-15
http://cobakaba.com/
【コンセプト】
・魚のおいしさと楽しさを伝える
・魚食のファンを増やし、鎌倉と阿久根の漁業の未来を考えるきっかけを作る
・一本釣り・刺し網・ゴチ網などの小規模漁業、それに紐づく魚食文化を守るために活動する
鎌倉と阿久根のコラボレーション
阿久根と鎌倉の交流をきっかけに、様々なコラボレーションや取り組みが生まれています。
協力店舗
コバカバ(食堂)
朝の定食メニューに阿久根市の鯵の一夜干しが採用されました。
エンジョイワークス(不動産屋)
阿久根市に新しくできたゲストハウス「イワシビル」のスタッフ研修を、エンジョイワークスが運営するゲストハウス「Hostel YUIGAHAMA」にて受け入れていただきました。
日進堂(パン屋)
イベント時に、アジカツサンド用の食パンを提供していただきました。